鳴子温泉郷めぐり?その3
東鳴子温泉は、JR陸羽東線の鳴子御殿湯駅近くに開けた温泉街です。ここの温泉の特徴は、昔ながらの湯治場の雰囲気が残っていることでしょう。今も自炊客が長く逗留するひなびた宿が、家庭的なサービスの温かみをより一層感じさせる貴重なところです。その一角にある高友旅館は、混浴の「黒湯」「重曹湯」などで知られています。
陸羽東線の東南には、この他に田中温泉、中野温泉、馬場温泉などでも個性的な湯が湧き出していますが、江合川の向かい側、赤這地区ではこれらと全く違う泉質のお湯が湧き出しています。このように場所により泉質の違うお湯ですが、共通しているのは、植物腐敗食成分を含むモール泉の性質をもっていることです。
モール臭とよばれる鉱物系の臭いがあり、一部のお湯ではこれに重油やシンナーのような油臭い臭いも加わっています。開湯の歴史は古く、平家の落人が仁治元年に発見したという説もあれば、天平19年、この地に玉造軍団が設置された際に既に温泉は存在していたという説もあるほどで、いずれにしても伝統ある温泉場であることは間違いありません。