伝統の仙台初売り
仙台初売りは文化文政のころから三百年以上続いている伝統的な正月行事です。仙台市内の商店街の一年はこの初売りからスタートする一大イベントですが、明治・大正期にはすでに全国に知られるようになっていました。特別の娯楽もない当時、年の初めに外に出て初買物をすることは、数少ない楽しみでだったのでしょう。
そんな庶民の心に応えようと、各商店は心意気を見せようと大盤振る舞いするようになったのがきっかけのようです。お買い得な商品を「福袋」にして販売するため、徹夜組をはじめ、早朝から開店を待つお客さんで店頭が賑わいます。
店の開店が通常より早くなるため、甘酒やおしるこを振舞う商店もあるなど、正月気分を盛り立てます。「仙台初売り」の特徴は、何といっても大きな茶箱の福袋でしょう。茶箱は湿気を寄せ付けず、衣類や乾物の収納・保管箱として昔から庶民に愛用されてきました。その名残が仙台初売りに受け継がれ、市内にある茶舗では茶箱の福袋を出しています。