鳴子温泉卿の原点「滝の湯」?その1
JR鳴子温泉駅から少し急な坂を登っていくと、全国的に知られている共同浴場「滝の湯」があります。ここは昭和48年に改築されたが、建物は大正時代からの姿をそのまま止めている名物浴場で、滝の湯の名の通り、掛け樋で引き入れた湯が滔々と落とし込まれています。湯船を満たしているのは、硫黄、明礬、緑礬、芒硝などが溶け込んだ酸性の湯です。
水のつぎ足しも、加温も、循環もない、本物の源泉かけ流しの白い湯にとっぷりとつかれば、体の芯まで温まり、身も心もほぐれていくのがわかります。鳴子の温泉の歴史は古く、平安時代に編纂された「続日本後記」に、承和4年(837年)に鳴子で火山の爆発があったと記されています。この時に神の怒りを鎮めるために神社が祀られました。
それが滝の湯の上にある「温泉神社」です。神社の背後には、「潟沼」という火山の爆発によってできた周囲1300mの沼がありますが、ここがその時の噴火口ではないかといわれています。滝の湯はこの温泉神社の参道入り口にあり、温泉神社の御神湯ともなっていまして、旧暦の12月8日は、神様の入浴する日とされています。