ポチ君の足跡を辿って
今日は思い切って、昔よくポチ君と出会った場所に行ってみることにしました。時間帯もちょうどよい頃を見計らい、ムサシが納得のいくまで歩いてみたが、手掛かりすら全くつかめませんでした。ワンちゃんを連れて散歩していた女性に出会ったので、ポチ君のことを尋ねてみたのですが、だいぶ前に一度出会っただけだということでした。
周りの景色は2年前と全く変わっていないのに、まるで別の場所のように感じられることがとても寂しく、懐かしく感じる余裕などありませんでした。ポチ君がもし存命であったとしても、以前のように散歩に出られる状態ではないのかも知れませんが、とにかく無事であるという消息だけでも聞きたかったのですが叶いませんでした。
それでも、ムサシは一応納得したらしかったので、二人でとぼとぼと帰途に着きました。この日もまた、ことのほか天気がよく、小春日和を絵にかいたように穏やかでしたが、そのことがかえって寂しさを際立たせてしまったようです。せめて今夜は、「レオ君との散歩をみんなで楽しもう」とムサシに話しかけるのが精一杯でした。