ハローファームサクマ
蔵王山麓は酪農家が多いところです。南蔵王の不忘高原は、戦後満州から引き揚げてきた人々が開拓して、厳しい生活を乗り越えて豊かな牧場に作り上げてきました。「ハローファームサクマ」の佐久間純一・文子さんは60頭余りの牛を飼育して牛乳を生産しています。安全で美味しいのは循環型酪農だからで、牧草は有機栽培、水は蔵王の伏流水を利用しています。
牛舎の外囲いでは、人懐こい牛たちが近寄ってきて、長いまつげと優しい目で出迎えてくれます。餌をやったり首をなでたりするととても楽しく、時間を忘れてしまいそうです。搾乳やバター・アイスクリーム作り等の体験もできるので、子供達もよく訪れるそうですが、大人も子供も皆感激して帰っていくということです。
「牛乳は命のバトンなんですね。牛も人も同じ生き物。酪農体験をしながら、食や命、自然とは何か、気づいていくといいですね」と佐久間さんは言います。環境を守る循環型の酪農で、命の循環を伝えていきたいと、多くの人と牛との楽しい体験を分かち合っています。犬や猫、そして白ひげのヤギさんたち家族もその気持ちには変わりないようです。