東照宮
東照宮とは東照大権現、つまり徳川家康を祭神として祀っている神社です。日光の東照宮が有名ですが、江戸初期に徳川幕府の体制が盤石になると、諸大名も領内に進んで造営し、徳川家への感恩の意を表しました。仙台の東照宮は、1654年(承応3年)に完成したものです。諸国から良材を集め、藩の総力を挙げて一流の工匠の手により造営されました。
東照宮の建つ玉手崎は、徳川家が大崎一揆を視察した際にここで休息をとったという由緒ある場所です。参道を登りきると、宮町の通りがまっすぐ正面に見え、宮町が東照宮の門前町として造られたことがよく分かります。本殿は黒漆の板壁など黒を基調としながらも、扉は精巧な金具や金箔押しの彫刻が施され、朱塗りの高欄が配された華やかな建築です。
本殿、唐門、透塀、髄身門は国の重要文化財に指定されています。また、参道入り口に建つ石鳥鳥居も創建当初のもので、鳥居としては珍しい国の重要文化財です。参道石段の両側には伊達家家臣団が奉納した美しい石燈籠(国の重要文化財)が整然と並んでいます。穏やかな勾配を利用した階段と踊り場が交互に配置された、リズミカルな石段といわれています。