今年の夏は2回ありました
毎年甲子園の熱気が冷めると、足早に秋がやってきますが、今年は熱い戦いの中に爽やかさを感じる場面がありました。横浜隼人高校と対戦し、完投して勝利を勝ち取った花巻東高校の菊池雄星投手の勝利インタビューです。「これまでも練習試合で対戦し、ずっと横浜隼人のようなチームになりたかった。きょう勝てて、少し近づけたかなと思う」。
並の大人ではこんな謙虚なセリフはめったに言えない。日本の心ここにありと感じたのは、花巻のフアンばかりではなかったでしょう。その後も熱い戦いが続きましたが、2度目の夏とはこのことではありません。例の衆議院議員選挙のことです。この戦いはいつになく暑苦しく、折角訪れようとしている秋を寄せ付けない熱気がありました。
今はそれも去り、落選候補者にはひとしお秋の風が身に滲みていることでしょう。わかっちゃいるけどやめられないというか、懲りない面々というか、相も変らぬ“連呼 連呼”は必ず訪れる天下の秋など眼中になかったのでしょう。捲土重来を期すのであれば、高校球児のような謙虚さを身につけるというのはどうでしょうか。けっこう妙案だと思うのですが。