伝えたい先人の技術?その1
古い建物を解体して新しい家に蘇らせる匠が大崎市鳴子にいます。その名は、「古遊工房(有)遊佐建築」です。解体から施工まで一貫して手掛けるのが特色ですが、解体時は柱や梁の状態を確かめながら一本一本はずしていき、施工時にはその逆の工程で丁寧に組み上げていく。先人の技術を未来に継承して百年先の古民家を目指しているという。
「古い民家や蔵を解体するときに現れる木組みを目にすると、当時の職人の技や知恵に敬服してしまいます。その土地によって木組みも違うし、それぞれの地域独特の文化がある。こうした日本の伝統技術は絶対になくしたくないし、決して古くさくない。むしろカッコイイと思いますね」と古遊工房の遊佐社長はいいます。
移築再生した母屋と、新材による伝統工法で新築した下屋部分から成り立っているあるお宅の場合、新しい材料には山形県金山杉を使用しています。日本家屋はとかく「狭い・暗い・寒い」というイメージがあるようですが、解放感あふれる吹き抜けなど明るさにも配慮した設計によって、重苦しさを感じさせない空間を作り出しています。