もうすぐさくらの季節
ムサシはサクラの花にはあまり興味がないようですが、公園のサクラが咲くと人が集まるので、その人ごみの中に身を置いているのが大好きです。特に子供たちから声をかけられるとご機嫌で楽しそうな表情をします。毎年この季節になると、満開のサクラを求めて遠出をするのですが、種類によって咲く時期が異なることもよく知っています。
今年ももうそろそろそんな季節がやってきました。ムサシも花見の雰囲気を想像しているのか下見によく公園を訪れます。ただ、例年のようにあまり歩き回らず、公園の芝生に座り込み、回りの景色を頭の中にそっとしまいこんでいるようで、ムサシの穏やかさとは裏腹にとても淋しい気持ちになるのは何故なのでしょうか。
私にとって、最も当たって欲しくない予感なのですが、どうしてもそれを払拭できない現実を見せつけられているで、いてたまらないという心境になっています。思い切って告白すると、ムサシのしぐさは明らかに自分が暮らした街に感謝し、別れを告げているとしか思えないのです。しかし、ムサシはあくまでも穏やかです。