しっかりとした足取り
じっくりと風景を眺める姿は、確かにこれまでとは違ったものを感じていますが、それ以外には特に変わったということもなく、足取りもしっかりしていて、時には遠出をすることもあるなど、マイペースぶりは相変わらずといったところです。そのうち、駆け足で冬がやってきたため、外に出たがることもなくなってきたようです。
ただ、このころから、散歩途中での小休止が若干長くなり、疲れたので体をやすめるという感じではなく、そこに止まっていることに何か別の意味があるように見えるのです。思い余ってムサシにその疑問をストレートにぶつけてみたのですが、彼は、“笑って答えず”といったところで、やはり愚問であったかと反省させられました。
こういうときは、しつこく追求すると少し不機嫌になるような気がするため、それ以上深追いしないことにしています。つまり、そういうことはボクに聞かないで、オヤジが自分で判断しなさいということなのである。そして、そういう態度は彼一流の思いやりのポーズであることも私はよく理解しているはずであった。