蕪栗沼の自然
2005年にラムサール条約にも登録された蕪栗沼は、鳥たちの楽園なのでしょう。蕪栗沼とその周辺の水田は、国内でも最大級のガンやカモ類の越冬地で、マガン、オオヒシクイ、オオハクチョウなどが飛来し、次の渡りまで羽を休める。国際的にも貴重な沼とされる蕪栗沼には、約1500種類の動植物が生息し、1年を通じて様々な自然に出会える。
冬は天然記念物に指定されているマガンやオオヒシクイなどが飛来する蕪栗沼は、北上川水系にある面積約150haの湿地で、沼といっても大部分はヨシやマコモなどの植物に覆われていて、水面は少ししかありません。周辺は沼を干拓してできた水田に囲まれていますが、周囲の沼や家屋を洪水から守る遊水地としての役割も担っています。
毎年4万羽以上飛来するというこの沼には、オオタカやチュウヒなどの絶滅危惧種など219種もの鳥類も観察されている。蕪栗沼は、もともと北上川からあふれ出た水が流れ込む自然遊水池で、蕪(かぶ)のように美味しい栗の林が沼の辺りに広がっていたことから、蕪栗沼の名がついたといわれていますが、縄文初期には海の底だったようです。