初午まつり「火伏せの虎舞」
加美町中新田地区に伝わる650年の歴史を誇る由諸ある防火の行事、それが「火伏せの虎舞」で、県重要文化財に指定されています。「雲は龍に従い、風は虎に従う」という故事にならい虎の威を借りて風を鎮めようと祈願したのが始まりという。屋根に登って舞う虎の勇姿が見もの。大崎地方に春を告げる室町時代から伝わる珍しいものです。
火伏せの伝統行事といえば、新春に火消し組が高いはしごの上で、妙技を披露する「出初め」が有名ですが、これは江戸時代に誕生したもので、古い伝統を大切にしながらも、現代感覚をうまく取り入れたイベントとして定着させている。笛と太鼓のはやしにのって、色彩鮮やかな山車と共に虎舞が地区内を練り歩く。
そして、最後に高い屋根に登り、腹いっぱいに風をはらんで立つ虎の姿は勇壮そのものです。地区内の至る所に地場産品の販売コーナーやイベント広場などが開設され、虎舞の見物と共に楽しめます。この地区は、その昔大火が多かったことに由来するといだけあって、今風に言えば防災訓練とでもいうべき行事だったのかも知れませんね。