原阿佐緒記念館
大正時代の三閨秀歌人(優れた女流歌人)の一人といわれた原阿佐緒は、宮城県黒川郡宮床村(現在の大和町宮床)出身で、明星派の与謝野晶子に師事し、後にアララギ派の斉藤茂吉や島木赤彦の指導を受ける。九条武子、柳原白蓮とともに大正の三閨秀歌人として美貌と才能が謳われたが、私生活では自由な恋愛遍歴のもちぬしでもあった。
数々の悲恋、自殺未遂、離婚など波乱に富んだ人生を送った阿佐緒だが、その作品は叙情的で繊細な感覚にあふれている。明治時代に建てられた洋風の生家を1990年に改修して保存、原阿佐緒記念館として開館した。館内には阿佐緒の歌や日記、手紙、日本画など数々の資料を展示し、阿佐緒の生涯を紹介しています。
この生家は阿佐緒の祖父と父によって明治16年に建てられたと推定されています。伝統的な土蔵造りを洋風建築に応用したもので、漆喰仕上げの壁に畳敷きの和洋折衷の建物です。むくり破風をつけた吹きっ放しの玄関ポーチ脇にある歌碑は、昭和36年7月30日に建てられ、除幕式には阿佐緒本人も出席したといことです。