測り知れない懐の深さ
わが家のムサシは体も大きいからかもしれませんが、実によく食べます。食事のときの彼の食べっぷりを見ていて、子供たちは、“一度思いっきり食べさせてみたいね”とよく冗談を言います。そんな大食漢のムサシは特にりんごが大好きで、自分の割り当てを最後までとっておき、私たちからむしり取った後に自分のものを食べます。
そんなりんご大好き人間(犬)のムサシですが、手の届くところにおいてあっても殆ど手を出しません。時に不本意な留守番をさせられ、ふて腐れて腹いせにりんごをかじったとしても、1個だけにしておくという律儀さがたまりません。普段の様子からすると4?5個ぐらいは軽くいきそうなものなのですが?
そのやり方がまた憎めないのです。ビニールの袋に入っているりんごを、まず袋ごと自分の席(3ヶ所に敷いてあるマット)に持って行き、そこでたった1個だけ取り出して丸かじりするのです。「ものには限度というものがある」あるいは「親しき仲にも礼儀あり」ということを私たちに教えているようで実に微笑ましい。