昭和の香りが漂う「屋号通り」
気仙沼港に面した内湾地区は、「風待ちの町」と呼ばれていたということです。気仙沼湾を帆船が行き交っていた時代には、沖へ出て行くための風(ナライ風)を待って、船が出帆していったことから、その名がついたといわれています。町の有志により「風待ち研究会」が設立され、由緒ある町の文化の発見と保存が進められています。
そのなかでも、古い建物が残る魚町の一角は、「屋号通り」と呼ばれ、デザインを統一した暖簾が掲げられ、休憩用のベンチが設置されています。この「屋号通り」の一角に2004年7月にできた昭和時代の駄菓子屋風の店があります。ブリキのおもちゃ人形、駄菓子、くじなどのレトロな商品が並んでおり、野菜なども直売しています。
古きよき時代の香り漂うこの界隈は、地元の人にとってばかりではなく、小さな文化遺産として残しておきたくなる佇まいです。そうしたおもいから、町の有志が立ち上がったのでしょうが、ゆったりとしたときがながれる街並みは、その価値が十分に伝わってきます。もちろん、もてなしの心にも触れることまちがいなしです。