ホームでくつろぐムサシ
散歩のときの話が多くなってしまったので、家でくつろぐムサシの姿について少し紹介しましょう。海外へ出かけていたときの彼の様子は、あまり聞きたくなかったのですが、一旦落ち着きを取り戻すと逆に聞きたくなるのは何故なのでしょうか。昼間は誰もいないので様子はわかりませんが、夜になると私の部屋からじっと外を眺めていたということです。
特に何もいわないのですが、「今日も帰ってこないのか?」と言わんばかりのさびそうな顔をして、二階の寝室に向かうという毎日だったそうです。旅行先から電話をしないようにしたことがよかったのかどうか未だに判断しかねていますが、彼の悲しそうな声を聞く勇気がなかったことだけははっきりしています。
なにしろ、私がトイレに立っても起き上がり、ついてくるというベッタリの仲ですから、孫達も一目を置く関係であることは間違いありませんが、この関係を築くまでには並々ならぬ努力があったことも知ってもらいたいのです。つまり、二兎を追う生活は完全に捨てる覚悟がなければ、すぐに心を読まれてしまうからです。