金華山黄金山神社の初巳大祭と神事
牡鹿半島の先に浮かぶ金華山は、霊場として正月の元朝参りや10月に行われる神鹿角切りなどの行事で有名ですが、金華山黄金山神社の最大の行事は初巳大祭です。古式にのっとった荘厳で華麗な神輿は見事なものです。本殿が開扉されて神輿が山を下り、海岸御旅所で海潮海祓の神事である神輿渡御が行われ、この日は本殿昇段参拝が許されます。
12年に一度の巳年には227日間もの間祭りが続けられます。また、金華山黄金山神社の神事である神鹿角切り行事は、毎年10月第1・2日曜日に行われます。鹿は神の使いとして大切に保護され、約500頭が生息していますが、そのうち黄金山神社境内にいる役50頭の雄鹿を大勢の勢子で取り押さえ、神官によって角を切ります。
周囲26km、標高445mのこの島は、神仏混交のその昔には金華山大金寺と称して弁財天を祀り、奥州藤原氏、葛西氏、伊達氏など時の権力者の寄進を受けていたといます。江戸時代までは女人禁制の山で、出羽三山、恐山とともに東奥三大霊場とされていました。「三年続けてお詣りすれば、お金に不自由しない」といわれています。