侮られぱなしの国民
読売新聞の編集手帳(平成20年9月6日)欄に、清少納言の「枕草子」を引用した面白い記事が載っていました。「人にあなづらるるもの(侮られるもの)」を二つ挙げているという。一つは「築土のくづれ(土塀の崩れ)」、もう一つは「あまり心善しと、人に知られぬる人(極度のお人好し)だということです。
この後に続く話は、民主党と自民党のメディア対策の話で、結構面白い内容でしたが、ふと頭に浮かんだのは、現代風の侮られるもの(お人好し)というのはどういう人なのだろうといことです。というのは、自分ではそれほどお人好しとは思っていなくても、相手次第では立派なお人好しにされてしまうように思ったからです。
例えば、昨今はやりの振れ込め詐欺や食品を巡るインチキの数々など、いつの間にか国民全てが侮られているとしか思えません。してみると、よほど厳しい姿勢で臨まなければ、お人好しの部類に入ってしまうということなのでしょうか。土塀の崩れを修復するのもままならないわが身にとっては到底無理な話です。