ムサシの嘆き
わが家の近くに「マック」というワンちゃんがいました。その兄弟だというワンちゃんと朝夕の散歩でよく出くわすのですが、このワンちゃんの飼い主がまた実に優しい人です。名前はつい聞き漏らしたのですが、何でも、この前の飼い主が突然引っ越すことになり、実家(ワンちゃんが生まれた家)に帰されたのだそうです。
そこには親犬もいたのですが、里帰りしたワンちゃんと性格が合わなかったのだそうです。ある日のこと、その人(今の飼い主)が仕事を終えて家に帰ったところ、そのワンちゃんが元の自分の家の前でうずくまっているのを見つけたのだそうです。かなり遠くから何日もかかってやっと辿り着いたらしく、かなり衰弱していたということです。
可愛そうに思ったその人は、迷わず自分の家で飼うことにしたということです。わが家のムサシにはそんな思いは絶対にさせないと堅く誓ったのはもちろんですが、数奇な運命をたどったこのワンちゃんにも、精一杯のエールを送りました。こんな悲しい思いをさせた人にも色々事情はあったのかもしれません。しかし、家族であるワンちゃんを粗末にしては絶対にいけません。