ムサシのこだわり?その2
この頃のムサシは、わが家の主導権をすっかり握ってしまい、自分居場所は私たちから与えられるものではなく、自分がかちとったモノと思い込んでいるようです。それはそれで特別異論はないのですが、そのしぐさがあまりにも板についているのを見ると、いささか滑稽に思えることもありました。例えば車に乗るときの動作です。
ムサシは小さい頃から、車に乗せる時はいつも助手席でしたが、そのときの都合で後ろの座席でも特別もんくを言うわけではなかったのですが、最近は、ほかの人が助手席に座ろうとすると決して許さないのです。といっても、威嚇したりもんくを言うわけではありません。相変わらず黙っているだけなのですが、そこは僕の席だと主張するのです。
ムサシのこうした主張に応えることでしか愛情を示すことができなかった私ですが、彼の方は、どんどん態度が大きくなり、我侭が増徴するという態度は全くとらないのです。いわば限度をわきまえた小さな主張に過ぎなかったわけです。当然のことながら、ブランド物の洋服や車をせがんだりするようなことはありません。