これは珍味、いのしし丼
阿武隈山系のいのしし料理を出すお店が、ここ丸森町にある「金八寿司」です。漫画「美味しんぼ」に採り上げられた有名な店ですが、自慢の「いのしし丼」はいのししの肉に、具はサツマイモやゴボウ、キノコなど、いのししが好む食材が入っている。肉はやや歯ごたえがあるが、脂は香ばしく思いのほか臭みもない。
確かに珍味ではありますが、くせのないのが特徴のようです。寿司屋さんなのにいのししとはどういう関係にあるのか、ちょっと疑問に思っていました。親方の説明によると、寿司のルーツは保存食の「馴れずし」だということで、「鮎ずし」や「鮒ずし」と同じように、山国では獣の肉で作ったのだということです。
伝統の「いのしし肉の馴れずし」も5人分から注文に応じるそうですが、2週間ほど時間がかかるということです。そこで手軽に食べられる、いのしし一口ステーキ寿司を考案したのだということです。こちらも不思議な味わいが楽しめますが、ニホンイノシシが生息する北限といわれる丸森地方で、丼に顔をうずめてみるのも面白そうですね。