カマ神様にお目にかかったことがありますか?
カマ神様とは、宮城県北部から岩手県南部(旧伊達藩の北部)にかけて分布する、土や木で作られたお面ことです。かまど(火)の神は、盗難よけ、疫病よけとして信仰され、昔は民家のかまど近くの柱や壁の高いところに取り付けられていました。江戸時代から昭和初期にかけて作られたものが多く、宮城県では2000点、岩手県には400点あったそうです。
カマ神様は、いかつい顔と大きな目が特徴ですが、地域によって様々な違いがあります。登米地方では、土製のものが多く、目の部分の材料がアワビ貝や盃などが使われている。これは家の新築時に左官が余った材料で作って寄贈したものだといいます。大崎や栗原では木製のものが多いということです。
登米地方では、正月に注連縄とご幣束をカマ神様の頭につけ、お供えをして拝んだという。現在民家の改築や解体で数はかなり減っているが、各地の資料館などで保存されています。旧豊里町の平筒沼農村文化自然学習館には、20体ものカマ神様が展示されています。そういえば、その昔わが家にもお面ではありませんが、いかつい顔をしたカマ神様の絵がかまどの付近に貼ってあっことを思い出しました。