みーらとりがみーらに
ムサシがわが家に来て数ヶ月が過ぎた頃には、すっかり彼と仲良しになってしまい、何時しか率先して面倒をみることが苦痛ではなくなっていたことに気づいたのです。ムサシはそんなことにはお構いなしで、全幅の信頼を寄せているようなので、こちらもそれに応えなければ義理が立たないとでも思ったのかも知れません。
そんな姿を横目で見ながら、彼の面倒を見るのはお父さんが最適とばかり、次々難題を押し付けられるようになりました。小さいときの彼はあまり散歩が好きではなかったようで、外に連れ出しても門の外に出たがりませんでしたが、さすが根っからの犬好きだけあって、家内は散歩に連れ出すのだけは得意だったようです。
そんなある日のこと、家内が仕事の関係で海外旅行に出かけることになってしまいました。予想していたことではありましたが、年に4?5回程度海外に出かけることを思うと、どうしても散歩を私の手でさせなければと思い、思い切って、外に連れ出してみました。すると、何の抵抗もなく、すたすたと歩き出したではありませんか。