遅すぎるIWCの対応
捕鯨推進派と反対派の相互信頼回復を探るため、ロンドンで開かれていた国際捕鯨委員会(IWC)の「将来に関する中間会合」で、日本の調査捕鯨船に薬品入りの瓶を投げつける危険行為をした環境保護団体シー・シェパードを非難する声明を出した。声明は「人命と財産に危険を及ぼすすべての活動は受け入れられない」と強調し、危険な行動を中止するよう求めている。
これまでの声明に比べ、シー・シェパードを名指しで非難したことは多少評価できるが、私たちの感覚からすると、かなり手ぬるいという感じがしてなりません。自分の意に反する行為を悪と決めつけ、暴力を持って正当な行動を阻止しようとするというのでは、ルールに則って協議する意味がない。賛成と反対の意見があるからこそ協議が必要なわけであり、話し合いが継続されている以上勝手な行動は慎むべきです。
いかに反捕鯨国が多いからといって、こうした海賊行為を放置したままでは、永久に話し合いなどつかないのではないでしょうか。シー・シェパードのような確信犯は、非難するぐらいで改まるとは考えられません。ここは一つ、暴力に対して厳正に対処する姿勢を打ち出し、公正なルールを確認すべきだと思います。そうしなければ、今後の話し合いを円滑に進めるための土俵を築くことは出来ないでしょう。