みやぎの明治村
登米市には明治時代に建築された学校や県庁、警察署など洋風の建物が数多く残されています。以前に紹介した旧登米高等尋常小学校(現在の教育資料館:国の重要文化財)もその一つですが、その他にも、水沢県庁記念館や警察資料館はその代表格といっていいでしょう。水沢県庁記念館は、1871年(明治4年)、廃藩置県により登米が「水沢県」に編入された際に建てられたものです。
明治維新後の激動の歴史を今に伝える官庁建築であり、宮城県内の明治時代を代表する貴重な文化遺産です。また、1889年(明治22年)に建造され、1968年(昭和43年)まで登米警察署として使われていた凝洋風建築の特徴が見られる警察資料館は、警察の制服や白バイなどが展示してある全国唯一のものです。
一方、江戸時代には伊達一門の城下町だったこの地域は、武家屋敷や鈎型に折れ曲がった道路などが往時の佇まいを偲ばせてくれます。現在は寺池城址公園となっている登米の城跡、その一角に建っている懐古館(資料館)には、伊達家ゆかりの武具、生活用具などが展示され、幕末から明治にかけての暮らしぶりが身近に感じられる城下町です。