食品の消費期限と賞味期限
政府は国民生活審議会の答申を受けて、2010年度をめどに現在2つある消費期限と賞味期限を一本化するようですね。この解かりにくい2つの期限の定義は、要するに「安全に食べられること」と「おいしく食べられること」にあるのですから、おいしく食べられれば、安全でなくてもかまわないという人がいることを前提としているように感じられます。もっとも、この期限が適用される食品には傷みやすいかどうかという違いがあるようです。
しかし、安全であるかどうかの判断は、製造業者が科学的なデータに基づいてなされるものである以上、消費者がこれを拠り所にするのは当然ですが、おいしく食べられるかどうかの判断は基本的に消費者が判断すべきもので、そこまで法律で規定するのはありがた迷惑な面もあります。少なくとも、製造業者や販売業者はお客様においしく食べていただくため、日々涙ぐましい努力しているはずだからです。
法律は国民の健康を守るという一段高い立場から、大枠のラインを定めれば足りることで、それぞれの省庁が所管する別々の法律で縛りをかけるのは本末転倒ではないでしょうか。安全に消費できる期限さえ保証してもらえば、その期限内でおいしく食べられる期間は事業者と消費者の知恵に任せてもらいたいものです。何しろ、このことは売上の多寡を左右する事業者の中核的な機能なのですから。