アンコウのとも和え
アンコウは全国の海に生息する深海魚です。金華山沖でも、特においしいといわれているアンコウが漁獲されますが、年々その数は減り続けています。頭が大きく灰褐色で身もぶよぶよしていて、ぬめりも多いため、外観からはおいしそうには見えない。もともと漁師料理だったアンコウ鍋が、広く親しまれるようになったと言われています。
俗に「アンコウの七つ道具」いわれる身、肝、水袋(胃)、ヌノ(卵巣)、エラ、ヒレ、皮まで全部食べられるので、捨てるところはほとんどない。特に旬の冬に大きくなる肝臓(あんきも)は、30cmから40cmもの脂質を含みビタミンAの含有量も高く、身よりも珍重されています。一般的には醤油や味噌仕立ての暖かい鍋物、汁ものにすることが多い。
肝の旨さを生かしたとも和えはまさに絶品です。作り方は、意外と簡単で、アンコウの身と肝は適当な大きさにぶつ切りにし、ゆでてザルに上げ、水を切ります。少し冷めたら身を骨からはずしてほぐし、皮は太めのせん切りにします。肝はすり鉢でよくすり、味噌を加えてさらにすります。この肝みそで身をあえれば出来上がりです。