熟練の技「仙台箪笥」(その2)
仙台箪笥は、木工、塗り、金具のそれぞれの職人の技が一つになって作りだされたものです。一つ物をひとつの場所で作るのではなく、それぞれ注文を受けた先が中心となって、一つの箪笥を作り上げてきました。つまり、それぞれの職人が、自分の作ったものを持ち寄って作業が行われるという工程で作業が進められるのだそうです。
「うちは塗り屋だから、木工が上がってきたものに漆を塗って、金具屋さんから金具をもらって箪笥に仕上げる。長年そういう仕事をしてきました」と話すのは、長谷部漆工の長谷部嘉勝さん。江戸時代から続く長い歴史と伝統を誇る漆職人で、長谷部さんが13代目で、現在は発足したばかりの仙台箪笥協同組合の専務理事を務めています。
2007年、長谷部さんをはじめ、仙台箪笥に携わる有志で念願だった仙台箪笥協同組合を設立しました。仙台箪笥やその技術を次の世代へ残し、繋げるためには、協同組合が是非必要だったという。「平成2年から動いていましたが、なかなかまとまらず、ようやく13社が加盟して動き始めました。次の世代に繋げていくためには、必要なことですから」と抱負を語っています。