村田町の白鳥神社
社伝によると日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の折に陣地とした場所に、父の景行天皇が西暦123年宮を建立したのが創建とされています。境内には樹齢8百年の大藤をはじめ、樹齢3千年を超す欅や銀杏(樹齢2千年)、白樫(樹齢千年)の神木が聳えています。白鳥神社には、4本の神木が象徴するように多くの伝説が残っています。
この大藤は、八幡太郎義家が前九年の役で戦勝祈願をしたとき大蛇となって安倍の軍勢から義家を守ったという伝説があり、「奥州の蛇藤」の名で知られています。杉に絡みついて50m近くも登っている姿は蛇の名にふさわしいほど怪異で迫力があります。白鳥は日本武尊の化身であり、仙南地方には大小10余りの白鳥神社があります。
日本武尊については神話の域を出ないのですが、あるいは多賀城以前の古い時代に大和による征夷征伐があったのかもしれません。この地方では古くから白鳥は信仰の対象として大事にされてきたようです。明治元年には、進駐してきた官軍兵士が白鳥狩りをしたとき、柴田家中の者が白鳥を守ろうと発砲したため処刑され、城主も切腹するという事件が起きたという。