広大な荒沢湿原
薬莱稿原の南西に広がる荒沢地区一帯は、日本でも有数の大規模地すべりによって形成された湿原地帯です。ここは知る人ぞ知る自然の宝庫で、地すべりは3?4万年前の氷河期後半から始まったと考えられています。多くの沼と湿原はほとんど人の手が入っていないため、貴重な水生、湿生植物の宝庫となっています。
また、トンボ類が50種類以上確認されている県内随一の生息地で、モリアオガエルや鳥類の宝庫でもあります。700ヘクタールに及ぶ湿原地帯で、ミズバショウの群生地としても有名な荒沢地区にあるのが「荒沢自然館」です。ここには、荒沢の自然を紹介する展示コーナーがあり、デッキからは田谷地沼が観察できます。
周辺の遊歩道を歩くと、豊かで貴重な自然を肌で感じることができますが、地下53mから汲み上げられる天然の水「船形の氷水」も味わうことができます。加美町では、この天然水を活用して、野菜やワサビの栽培を行うなど、特産品づくりにも取り組んでいます。その他、広大なこの地区には、530種類の植物や85種類に及ぶ鳥類も確認されています。