本当の忠義とは?
ワンちゃんの話で「忠義」と言えば思い出すのは、誰でもご存知のJR渋谷駅の「忠犬ハチ公」ですね。彼はご主人と一緒に暮らした月日はたった1年数か月なのに、毎日主人を迎えに何年も通ったという。考えただけでも思わず胸が熱くなる話ですが、これがワンちゃんたちの本当の姿なのだと改めて感心しています。
盲導犬の世界では、「利口な不服従」という言葉があるそうです。これは、視覚に障害のある人が前に進むように指示しても、盲導犬が危険を察知し、その場に踏みとどまることがある。急な段差や駅のプラットホームなどであえて指示に従わず、安全を確保する盲導犬自身の判断を指すのだそうですが、これぞ究極の忠義心ですね。
自分の保身のために、本当の忠義心をかなぐり捨てて打算をもとに身を交わす、どこぞの政治家とは大違いです。わが家のムサシの場合も、私たち家族との限りない親和感の中に、きっと秘められた忠義心があったに違いありません。ただ、私はそれを試そうなどとは一度も思いませんでしたし、その思いはこれからも変わることはないでしょう。