ムサシのアドバイス
以前はムサシが待ち焦がれていると思い、なるべく早い時間に散歩をすることにしていた。朝も夕方も散歩は食事前に決めていたが、ここ一年はムサシのアドバイスを尊重して食事を採った後に歩いている。その方がオヤジの体にもいいはずだし、お母さんとも一緒にあるけるので長続きするのではないか、ということなのである。
ムサシとしてはどうなのかと聞いて見ると、自分も三人で歩く方が楽しいので特に問題はないという。もちろん、三人で歩けるのは夕食後だけであるが、確かにそれほど苦痛ではない。ムサシのリードを握りながら歩いたころのイメージで歩くと、自然に体が動きだして、不思議と長く続けられるような気がしている。
一年経っても、ムサシの残した痕跡は確かに残っているし、ムサシ自身もよくそれ覚えているので、会話の材料にはことかかない。ただ、こうした水入らずの会話の最中に、「ムサシ君はどうしたんですか?」ときかれるのがとても苦痛である。そんな時、ムサシはここにいるよ!とはっきり言ってやってくれというのです。