高速道路の料金の値下げ
どこまで行っても高速道路の通行料金が1000円とはありがたい。お蔭様で遠出をする人もだいぶ増えているようですが、家計の収支勘定にはどれだけ貢献しているのでしょうか。高速道路の通行料と車の燃料費は、これまで目の上のタンコブ的存在でしたが、今は医者と坊主のような関係になったような気がします。
高速道路の通行料が安くなったメリットは、これまでと同じくらい車を走らせた場合のもので、現状のように車の走行距離を伸ばせば、燃料費がかさむのは当然すぎる理屈です。しかし、われわれにとっては屁理屈でしかありません。所得が減った分物価が安くなっても、消費マインドは一向に上がらないというのと似ていますね。
高速道路の通行料などは、価格弾力性が強い最たるものであることが証明されたわけですが、「必要だから使わざるを得ない」という合理的思考と「安いから利用しないのは損だ」という情緒的思考が同居しているところが、いかにも人間らしいですね。ただ、忘れてはならないことは、高速道路の通行料が安くなったのではなく、前売り券を買っていただけだったということです。