終盤を迎える小女子漁
初鰹の声を聞くころになると、そろそろ終わりになるのが小女子漁です。小女子は生まれたときは背が青く、体長1cmほどですが、成長すると5cm以上になり、地元ではメロードとよばれるようになります。幼魚は乾燥品や佃煮にしますが、メロードは天ぷらや燻製にしていただきます。これがまたたまらない美味さです。
わが家では、うす塩を振りそのまま焼いて食べますが、これもまたシンプルですが実に美味しい。あまり大漁になると高級養殖魚の飼料などになるので、陰が薄くなりますが、是非なまで味わって頂きたいものです。何しろ、この漁はランプ網漁といわれる伝統的な方法で、夕方に出港して深夜から翌朝にかけて操業されるものです。
産地である女川町では、「小女子の天日干し」が春の風物詩になっています。取れたての小女子を茹で上げて、岸壁いっぱいに広げられた光景は、まさに白いジューウタンのようだといわれています。メロード、いかなご、カナギなどの異名をもつ小女子には、カルシュームやカルシュームの吸収に不可欠なビタミンDが含まれています。