傘かしげ蟹歩き…いい得て妙
先日、日経新聞の「生活欄」に、特定非営利活動法人江戸しぐさ理事長の越川礼子さんによる「江戸しぐさ」なるものの解説が載っていました。「傘かしげ」や「蟹歩き」などがその例で、雨の日にお互いの傘を外側に傾け、ぬれないようにすれ違うのが「傘かしげ」、雑踏でぶつからないように体を横に向けて歩くのが「蟹歩き」というのだそうです。
ほかにも、腰をこぶし分だけ浮かせて席を詰め空席をつくる「こぶし腰浮かせ」、雑踏ですれ違う際、肩を引きぶつからないようにする「肩引き」、謝る相手に対し自分も、私もうかつでしたなどと謝る(場がなごむ)「うかつあやまり」、道路の3割り分を歩き、残り7割を急ぐ人のためあける「七三歩き」、道路を渡るとき、右見て左見てまた右見て安全確認する「片目出ししぐさ」。
相手が話している時はしっかり聞き、話の腰を折らない「あいづちしぐさ」、相手に非があっても頭ごなしに怒らず、許す心の余裕を持つ「許すこころ」、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感を敏感に研ぎ澄まし、周囲の状況を瞬間的に総合判断する「六感しぐさ」などだそうです。これらの「しぐさ」が身につけば「切れること」も少はなくなるかもしれませんね。