神秘の湖、蔵王のお釜?その1
山形県の蔵王坊平高原と宮城県遠刈田温泉を結ぶ全長26kmの蔵王エコーラインは、ドライブコースとして人気のある観光道路です。この風光明媚なエコーラインのシンボルであるお釜は、山形県側の熊野岳(標高1841m:蔵王連峰の最高峰)と宮城県側の刈田岳(標高1758m)の中間に位置している円形の火口湖です。
神秘的なエメラルドグリーンの湖は、周囲1km、平均直径330m、最大深度27.6mで蔵王の噴火によってできたカルデラ湖で、太陽光線の移動に伴い湖面は日に何度も色を変えるので、五色沼とも呼ばれています。水温は深度10mで一番低くなり、それより下は温度が高くなるという珍しい湖として知られています。
平安時代末頃の噴火で火口ができたと考えられており、その後も噴火を繰り返し、最近では明治28年に大きな爆発を起こしており、この時にはお釜の水が沸騰したということです。蔵王は比較的新しい火山なので、特に宮城県側は草木もまだ少ない荒涼とした風景が広がっているため、このお釜は宮城県側の刈田岳から手軽に眺めることができます。