塩竈・金谷豆腐店(その2)
豆腐づくりは平安時代ぐらいに、中国から伝わりましたが、ここ20年ほどで昔ながらのつくり方ではなく、にがりの代わりに食品添加物である食用の硫酸カルシュウムを使った製法が多くなってしまったそうです。硫酸カルシュウムを使うと、とても繊細な温度調整が簡単で、大量生産が可能なためコストも低く抑えられます。
しかし、店主の金谷徳雄さんは豆腐の味を守るために、全て自然のものを使い、昔ながらの製法で作り続けています。大量生産の木綿豆腐は固まってからすぐに機械にかけ、10分で水分を抜きますが、ここでは10?のおもりの石で、ゆっくりと20分から30分かけて水分を抜いていきます。油揚も、専用の豆腐を作り、大豆油と菜種油の中を一枚一枚手で返し、熟練の技でふっくらと揚げていきます。
「本当においしいものを求めるなら、手をかけないと」と徳雄さんはいいます。大量生産では一度ですむことを、二度三度手間をかけることで、仕上がりが変わり、繊細な素材の味が生きてくるのだという。最近では豆腐の他に、湯葉も注目されているということです。湯葉と言えば京都ですが、ミヤギシロメの湯葉の甘みと濃厚さが評判になっています。