石井閘門(その2)
明治17年(1884年)の台風により野蒜築港は被災し閉鎖されました。その後、野蒜築港は復旧および第二期工事の膨大な工費のために予算として計上されず、野蒜築港計画は中止になったため、北上運河の航行も衰え、鉄道・道路の整備による物流の変化により役目を終えましたが、「北上運河」と「石井閘門」はその後も使用され続け現在も航行することができます。
石井閘門は日本最古のレンガ造り西洋式閘門で、また可動ゲートを持つ閘門としても日本最古のものです。ゲートは、もとは木製で昭和41年(1966年)に鋼製に更新されたものですが、閘門本体は建造当時のまま残されており、「近代化の遺産」のひとつとして北上川、北上運河のシンボルとして保存されております。
この石井閘門は、平成14年5月23日、貴重な近代土木遺産として国の重要文化財に指定されました。石巻市水押地区、旧北上川右岸8.1?付近(北北上運河始点)に建設された「石井閘門」は、全長50.35mという威容を誇り、今も「北上川」と「北上運河」をつなぐ要として、悠久の流れと静かな水面を眺め続けています。