ホヤの深い味わい?その2
ホヤといえば、「酢の物」や「塩辛」が思い浮かぶでしょうが、JR石巻駅前の市観光物産情報センターで開かれたホヤ料理の試食会では、「串焼き」「田楽」「磯辺揚げ」「中華風の海鮮豆腐」「イタリア風マリネ」「フライ」などのメニューが紹介されました。形も食感もそれぞれ異なるのに、磯の香りだけはしっかりと口の中に広がります。
ホヤは東北の味と思われがちですが、最近は韓国への輸出がかなり増えているという。実は韓国の方が日本よりも、よくホヤを食べるのだそうですが、十年ほど前に殻が柔らかくなる病気が流行し、集荷量が激減してしまった。宮城県のホヤ収穫量は現在、年間1万トンを超えていますが、国内消費はそのうち6千トン程度で、残りは韓国向けだそうです。
宮城県水産技術総合センター(石巻市)の酒井敬一・養殖生産部長によると、「ホヤは生物学的にも非常に面白い」という。脊椎動物の祖先に当たる原索動物の一種で、幼生は体長数ミリのオタマジャクシのよう形をして泳ぎ、しっぽには脊索という棒状の組織をもつという。その後あの本体が岩などにくっついた後、縮んで消えるのだそうです。