ムサシが私達に伝えたかったこと
わが家のムサシは、シャッターを閉めるときのドシンという音と花火の音が大嫌いでした。ムサシのホームグランドである塩釜では、今年ももうすぐ「みなと祭り」が開催されますが、その度に思い出させられるのが、花火の音を嫌って逃げ回っていたムサシの姿です。晩年にはすっかりなれて動じなくなったのですが、当時は怖くてたまらなかったようです。
考えてみると、ムサシが拒絶したのはこの他にはあまりなったような気がしますが、たぶん、人間と共存するために努力したのだと思います。それでも、花火だけはどうにも苦手だったということなのでしょうが、私達は自分が怖くないものだから、ムサシが怖がる姿をそれほどかわいそうだとは感じなかったような気がします。
花火を見せようと思って連れ出したことを、そのときはあまり反省しなかったような気がします。ムサシが私達の生活に馴染もうとしているのに、ムサシを理解しようとする努力が足りなかったことを改めて感じます。ムサシが私達に伝えたかったことは、嫌いなものを克服することではなく、理屈ぬきに認めて欲しいということだったのでしょう。