無形民俗文化財?小泊の延年
創建724年という観音像が栗原市金成小泊山神にあります。小泊白山神社の鳥居と長床を過ぎると、広い境内の正面に、征夷大将軍坂上田村麻呂建立と伝わる大きな観音堂があります。本尊の十一面観音像は元禄まで890年間は絶対秘仏でしたが、現在では33年に一度開帳されていますので、運がよれーければ観音像にお目にかかれるかもしれません。
源頼朝は平泉征伐の際、大群を率いてこの地に陣を張り、白山神社に戦勝を祈願しました。鎌倉凱旋の途上再び訪れお礼を行い、数日滞在して流鏑馬などを催したということです。白山神社では、毎年4月第1日曜日に小泊祭りが行われ、小泊の延年が奉納されます。延年とは平安時代に大寺で法会の後の余興として、僧侶や稚児が演じた歌舞などの芸能です。
室町以降は廃れてしまい、今は全国でも僅かに継承されているのみですが、小泊の延年は国の重要無形民俗文化財に指定されています。祭当日は古式を帯びたいくつかの舞が神に向かって厳かに演じられます。そして最後には、屋島の合戦における那須与一の扇の的射を再現した馬上渡しでクライマックスを迎えます。