観慶丸本店丸寿美術館
全国的に有名な陶器商「観慶丸本店」には、江戸時代から代々受け継がれてきた陶器が約100点あまり展示されています。200年以上前の貴重なものもあり、訪れる人の目を奪います。当時、北上川の川船で運ばれてきた米などの荷物がここに集まり、太平洋に面していた石巻が東北の玄関として栄えたことが創業のきっかけになったようです。
ここから江戸まで伊達藩のお米を運んだのが千石船です。この船の船頭だった初代須田幸助が、復路の空船の安定を保つため陶器を積んで石巻に帰り、副業として陶器の販売始めたというわけです。その後百貨店などの変遷を経て現在に至っていますが、先々代の須田幸一郎が無類の陶器好きで全国から価値のある陶器を集めました。
現在でも珍しい古陶器が残っているのはそのためでもありますが、当時の航海は太平洋の強い潮流や台風などの影響でリスクが大きく、高い熟練を要したものだということです。そのため、船頭への依存度が高く帰り船の利用方法は船頭に委ねられていたため、サイドビジネスとしてなかば公然と認められてことが、現在の美術館に繋がっているようです。