一工夫ほしいインタビュー
北京オリンピックもそろそろ終盤ですね。感動の一時も過ぎてしまえば過去の出来事として、次第に薄れていくのは仕方ないことですが、メダリストたちの労をねぎらい、またがんばろうという動機につなげるのがインタビューの役割ではないでしょうか。それなのに、最近のインタビューはあまりにもおざなりで興ざめです。
二大会連続で金メダルを獲得した北島選手に対して、「北島選手にとってオリンピックとは何ですか?」という質問をしていた。これに対して北島選手は、「それはこれまで何度も聞かれました」と答えていました。インタビュアーにしてみれば、最もポピュラーな質問をした積りかもしれませんが、マイクを向けられた本人は些かげんなりしたようです。
スポーツ選手は、お喋りの専門家ではないので、言葉を引き出しにくいのは承知の上でインタビューに臨むわけですから、相手が話しやすいように水を向けるのがプロの技術であり、工夫ではないでしょうか。与えられた仕事をただそつなくこなしているだけでは、最も輝いているシーンを独占する資格はないように思うのですが。