ちょっぴりうしろめたいこと?その1
食事をするときも一緒、寝るときも一緒という生活は快適そのものですが、外食をするときにムサシを残して出かけるのが心苦しいのです。家内は、“お仕事だからお留守番”と,念仏みたいに言って聞かせるのですが、何をしに出かけるかは先刻見通しのようで、その言い方があまりにも白々しいと感じたときなどは、少しふてくされるときもあります。
といっても、ゴミ箱をひっくり返したり、りんごを丸かじりするぐらいですが、とにかく私たちの会話は全て理解しているので、変ないい訳は効かないようです。そこで、食事に出かける時は次のように話しかけることにしました。「ムサシと一緒に行けないのは残念でたまらない。その代わりお土産を買ってくるからね」。これは少し効き目があったようです。
要するにちゃんと話してくれれば納得するのに、変な小細工をするのが気に入らなかったというわけです。その後は、出かけるというと寂しそうな顔はしますが、お土産で我慢するかと達観した様子が窺えるようなりました。私たちも食べる前にムサシへのお土産を考えて注文するようになり、彼の寂しさを思いやるようになりました。