捕鯨のふるさとクジラ料理
調査捕鯨で獲れたクジラが割り当てられる鮎川地区では、夏にクジラの新鮮な生肉が味わえます。にぎりで食べるクジラは最高です。そしてクジラ料理といえば、クジラのづけ丼ですね。クジラの赤身を醤油づけしたものをご飯の上に乗せ、うずらの卵と薬味をかけて混ぜ合わせ、ユッケのようにして食べるのです。肉は柔らかく、臭みなど全くありません。
牡鹿半島では、クジラ料理を伝える会があり、会員は研究や伝承にも熱心に取り組んでいます。その中で、「トイ」と呼ばれるクジラの本皮部分を季節の野菜と煮込んでつくる「トイ汁」というものもあります。さっぱりして美味しいので、一度食べたら病みつきになる人も多いかもしれません。
昔はわが家でも、クジラのトイをジャガイモやワカメなどと一緒に煮込んだものが、時々食卓に並びました。また、何よりも懐かしいのは「クジラの大和煮」ではないでしょうか。食糧難の時代にはずいぶんクジラに助けられました。クジラを巡る議論が難しい局面にあることは承知しておりますが、日本古来の食文化にも大事にしたいものです。