コンブのはなし?その3
北海道新聞(平成16年12月3日)に掲載された沢口俊之教授(北大大学院医学研究科教授)のコラムによると、コンブは脳を育てる食べ物だということです。『今の日本人はミネラル不足が深刻です。ミネラルは「無機質」のことで、カルシュームやマグネシウムをはじめとして、鉄や銅、亜鉛、リンなどの金属も含みます。私たちの体をつくる物質の約5%がミネラルです』。
『脳の栄養には、エネルギー源としてのブドウ糖と、機能や行動をつかさどるアミノ酸が最も重要ですが、これらの栄養素を補助するのがミネラルで、欠乏したり、バランスが悪かったりすると脳がうまく働きません。例えば、凶悪犯罪を犯した人の脳では亜鉛が少なすぎるという報告があるくらいです。十数年前ならミネラルは意識しなくても、野菜や肉などから普通にバランスよく取れていました』。
しかし、現在では農薬などの影響で土壌のミネラルは激減し、そのため野菜(草を食べて育つ家畜の肉)に含まれているミネラルが減っています。そこで、意識的にミネラルをバランスよくとる必要があります。そのための屈指の優れものが海産物、特に貝類と海藻です。貝類と海藻は、海の多量のミネラルを豊富に、かつバランスよく含んでいます。ミネラルが体内にうまく取り込まれやすい状態になっていますし、「バランス」という点からみても、錠剤などより海産物がよいのです』。