花山の名所旧跡
仙台藩花山寒湯御番所跡は、秋田藩の皆瀬村に通ずる秋田口に設置されたものです。この御番所は、当時仙台藩内に設置された27ヶ所の御番所の一つで、全国でも数少ない現存する番所です。寒湯は関守の三浦家が200年以上にわたり通行する人々や荷物を検閲していましたが、そのほかに数人の山守が間道を警護していたということです。
厳しかった当時の治安維持体制を偲ばせる建物は、国の重要史跡に指定されています。表門は萱葺き両切妻屋根の四脚門で柱は総ケヤキ、棟には伊達の紋があり、両側に般若の面が付いています。役宅は間口12間4尺、奥行き6間半という堂々たる建物で、江戸時代末期に改築されました。建物の内部も太い柱の組がすばらしい。
門を過ぎて正面の一段高いところが、実際に検査をした検断所の跡です。また、花山は幕末の剣豪、北辰一刀流の創始者千葉周作生誕の地とされています。弧雲屋敷は彼の天分を認めた佐藤弧雲重太郎の住宅です。館内で周作の生涯が紹介されています。周作は後に江戸へ出て最大の道場を持つようになり、坂本竜馬も門弟の一人として加わりました。