いよいよその日が来ました
訓練所は、わが家のあるここ塩釜からおよそ4?50km離れた古川市の郊外にありました。そこのオーナーでもある訓練士の話によると、4ヶ月程度の訓練期間が必要ということでした。警察犬を目指しているわけでもないので、短期間コースというのはないのかと尋ねたところ、そんなものはないとにべもない返事が返ってきました。
やむなく預けることにしましたが、いざ彼を残して帰るとなると、ある程度覚悟はしていたつもりなのですが、とてもたまらなくなりキャンセルできないかと思ったくらいです。当のムサシも、よもや自分だけを残して私たちが立ち去るなどとは考えもつかなかったようです。泣き叫ぶ彼の声を耳にしながら、後ろ髪を引かれる思いで訓練所を後にしました。
それからというもの、私たち夫婦は、廃人のような数日間を過ごしたことは言うまでもありません。思い余って、訓練所に電話してみたところ、ムサシはすこぶる元気で、毎日訓練にいそしんでいるとのことなので、少し気持ちが楽になりまた。月日が経つのは早いもので、そうこうしているうちに面会できる日がやってきました。