浸透させたいグリーフケア?その2
家族(遺族)を傷つける可能性のある言葉はほかにもあります。「亡くなった人が成仏しないよ(納骨などをしないことについて)」「これであなたも楽になったね(長い闘病生活の後)」「泣いたら楽になるわよ「気丈に振舞っている人に対して」「また産んだらいいじゃない(子どもを亡くした人に対して)」「まだ若いんだから、再婚したら(配偶者を亡くした人に対して)」「親が亡くなるのは順番だからね(親を亡くした人に対して)」。
言われてみれば最もなことばかりなのに、自分が善意であるということの驕りが、こんなにも人の心を傷つけていたなどと考えてもみなかった。そういう人は確かに多いように思われます。心の痛みは人それぞれで、他人とは比較することはできませんし、比較すること自体無意味なことなのでしょう。
このグリーフケアでは、何らかの事情により「悲嘆な状況に陥った」人に対して、周りの人の気遣いの大切さを教えているものですが、現代人の悩みの根源もこの辺にあるのではないかと思われてなりません。もっとも、この場合は「悲嘆に陥った」人というよりも、言葉の暴力などで「悲嘆に陥れた」人をケアする(教育)ことの方が先決かもしれませんね。