雄勝硯伝統産業館
石巻市雄勝地区で硯の生産が始まったのが、室町時代でおよそ600年の伝統を誇っています。この雄勝地区は硯の原料である黒色粘板岩の埋蔵量が多く、ほどよい堅さと柔らかさもった石質であるため、現在でも全国一の生産量をキープしており、雄勝石のブランドとしても評価が高いといわれています。
雄勝硯伝統産業館には、雄勝硯の名品に加えて日本一大きい硯なども展示されているほか、名工の実演も見られます。また、雄勝石はスレート材として屋根などの建築材料としても利用され、明治時代にはJR東京駅や北海道庁の屋根にも使われました。
江戸時代には仙台藩がお留山として、一般の砕石を許さなかったというぐらいですから、当時から宝の山だったのでしょうが、そのお陰で資源が護られたのかもしれませんね。天然の素材を多方面に活用する試みもあるようですが、国の伝統工芸品にも指定されている雄勝硯だけでも十分魅力的で一見の価値があると思います。